2012年12月7日金曜日

カギヤビル


このたび、ひょんなきっかけから事務所を借りることになりました。不動産会社を経営する高校時代の同級生から、浜松でさまざまなクリエティブな人が集う「クリエイターのための場所をつくりたい」という話があり、その意志に賛同をしたからです。(詳細はこちらの記事をご覧ください。http://www.at-s.com/news/detail/450475900.html

浜松にゆかりのある方なら、この写真を見ただけで場所が分かる方もいらっしゃるのではないでしょうか。昭和35年に建てられたので、なんと築52年。浜松の街中の端っこあたり。浜松駅からは徒歩7分ぐらいだと思います。

僕は独立するにあたり、事務所は持たない方針でした。というのも、仕事柄、創造的に考えることには頭を使い、作業的なことはMacさえあればできるので、スペースとしての事務所は必要としないからです。また、打ち合わせもクライアントの事務所、もしくはカフェですることがほとんどです。

ではなぜ事務所を借りることにしたかというと、アイデアの生まれ方が大きく関係しています。アイデアが生まれるときは、椅子に座って考えている時よりも、歩いていたり電車に乗っていたり「動」いていることが多く、雑談(会話の動き)からも生まれます。それは一見、無駄に見えるような時間かもしれません。しかし、そこに創造力のエッセンスが詰まっていて、事務所を借りることで様々な動きが生まれる(=アイデアが生まれる)と考えたからです。つまり、自分の生活の中に強制的に「動き」を入れる。それが事務所を持つ大きな理由です。

実際に事務所内部はこんな感じで引き渡し。さすがに年季が入っていて修復が必要な箇所もありそうですが、現状復帰は考えなくていいとのことで、壁塗りから床張りからすべて自分で考えることになります。この時点ですでに創造性が問われますね。浜松の街中が栄えていた時代から、郊外へと人が流れ空洞化してきた時代まで、この街の流れを端っこから見てきた52歳のビルに、色々なことを学ばせていただきたいと思います。そして、新しい時代のちょっとしたきっかけにもなれたら幸いです。

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